Legacy Format Playoff #11898936にて1st Placeを達成したMentalMisstepことStefan氏のインタビュー記事を発見した。
絆リス
珍しいサイドボードなど気になる構築な訳だが、デッキ選択からカードの採用理由まで論理的に開陳してくれていたため、訳してみた次第である。
その時のデッキについては、晴れる屋さんのデッキ検索のリンクを貼らせていただく。
参考 デッキ検索 Maverick晴れる屋そして元記事はこちら。
参考 Countering Legacy with MentalMisstepGreenSun'sZenith先日訳したのと同じマーベリックサイト「Green Sun’s Zenith」の新しい記事(2019/07/02掲載)である。
こちらが前回訳した時の記事。

さらに言えば、現状レガシー環境には疎い筆者である。
原文も可能な限り紐解きつつ、注意深く読んでいただきたい。
目次
【MTG翻訳】MentalMisstep氏に訊くマーベリック【レガシー】
冒頭は氏の来歴等を伺う内容である。
ここはかいつまんで紹介する。
MentalMisstep氏のごく簡単な来歴
- 23才
- オーストリア在住
- 6才の頃カジュアルにMTGを開始
- 12才の頃からレガシーのデッキをプロキシで作成(当時イチョリッドと呼ばれていたドレッジデッキとのこと)
以下は訳になる。
Goldfishで見るMentalMisstep氏の戦績
MTGGoldfishであなたの戦績を見て、異なったレガシー(そしてモダン)デッキで5-0を無数に叩き出しているわけだけど、 好きなデッキは?
今の所、基本的にできる限り多くの異なるデッキを試している。
過去9年間を振り返れば、どのデッキをプレイすればいいかわからない時、または他のデッキに不利だと感じた時にANTとRUGデルバーに戻るのが通常である。
というのも、それらはプレイングが楽しく居心地の良さがあるのだ。ついでに言えば私は瞬唱の魔道士がいるデッキが好きというのもある。
師範の占い独楽が使えたころは奇跡が最高のデッキだと感じていたためよくプレイしていた。
最近、デスタクに執心しており、その流れでマーベリックもプレイしていたのだ。
ということで好きなデッキはデスタク、ANT、カナスレということになる。
MTGOへの取り組み姿勢
MTGOのスケジュールはどんな感じ? MTGOグラインダーの共通の特徴は何だと思う?
オンラインの如何に問わず、私は非常に競技志向である。
次の構築トーナメントに備え、期待されるメタゲームにおいて良い選択となりうるデッキを練習している。
これによりプレイはよりよくなりプレイ時間は少なくなる。
1つのデッキが明らかにメタゲーム上位にいることも可能性的にある。
そしてそれは私がその1つのデッキとなんども練習することを可能にする。
ミラーもまた経験を多く積めるのだ。
こうした取り組みは他のMTGOグラインダーとそれほど違わない。
練習量は減っている。
ewlandonことEric landon氏を倒そうとしていた頃に、週末の1日で4〜5リーグ回していたことがある。
そしてそれは私を消耗させた。
それ以来は日に1〜2リーグにしている。
リーグを40分で終わらせられる高速デッキ以外はそれだけ回すことを推奨しない。
MTGOグラインダーには多くの共通の特徴があるだろう。
新たな戦略を試したい時には勝ち負けにはこだわらない。
逆にトーナメントで練習するときは完璧なプレーを心がける。
ミスや見落としでストレスを感じる事もある。
グラインダーは感情的・身体的によくないときにやりすぎるきらいがある。
プレイしている理由を考えると良いだろう。
そして最高のコンディションではない場合にその時間の使い方として効果的かどうか検討しよう。
同じリストを繰り返しすぎず、異なるデッキやリストを試すのも良いだろう。
私は間違いなく、マーベリックと対戦するだけでなくテスト目的のために私の友人と対戦させる事も多く経験してきた(当時はプロキシのマーベリックであった)。
普段プレイしているデッキと比較して経験の足りないデッキをなぜプレイしたかと言えばそれがプレイオフで予想されるメタゲームに完全に合うと思ったからである。
URxデルバーアルカニストがトップメタにおり、その後デスタク、奇跡、グリクシスコントロール、さらにはマーベリックなどのデッキがデルバーデッキを狙っていたわけである。
コンボが史上最低に少ないことを期待していた(大抵はスニークショー、少しのエルフ、ANT、黒赤リアにがいるが数は少ない)。
そしてデッキ間の対戦や関係を見るとマーベリックは競技的メタゲームで大部分のデッキと非常によく噛み合うことがわかる。
私の経験ではマーベリックよりも奇跡とのマッチアップが多いのでデスタクを選択する。
しかしグリクシスコントロールの復権(明らかにデスタクとマーベリックの両方にとって良いマッチアップではないが、マーベリックの方がマシだろう)、そしてルーンの母ミラー、特にデスタクとのマッチアップが割と多いことからマーベリックを選択するに至った。
トーナメントの前にマーベリックミラーをプレイすることはかなり快適に感じた。
もしそこで負けた場合にはそれはミスによるものであるか、少なからず改善点を見つけるかできた。
欠点としてはエルフ、全知、奇跡に弱いことだが、後者に関してはプレイスキルが大きく依存する対戦になり、私はその自分の選択に全く不満がなかった。
マーベリックの中での選択 レンと六番の不採用について
あなたは以前レンと六番を使っていたけどパニッシングマーベリックは将来的にレンが定着しそう?
レンはコントロールデッキに対してすごく良いということがわかった。
(大梟を倒せるし不毛を使いまわせる。梢も使いまわしてドローができて奇跡にも強い。議会の採決も使いにくくなる)
改革派の結集者もそこに噛み合った。
またルーンの母ミラーにもとても強い(このマッチアップにはサリアも常に横にいる)。
2マナのプレインズウォーカーはデッキと非常に相乗的だが、URデルバーとのマッチアップを悪くもしてしまう事も判明した。
MzFroste氏という並外れたMTGOプレイヤーに負けた事でそれがわかった。
またルーンの母ミラーにおいて、レンの力は過剰なようである。
という事で改善すべくデッキを調整した。
私はレン・マーベリックが「ストックリスト」になるメタゲームを見ることができたが、それは基本地形を多く使わないデルバーデッキや多くの4Cコントロール、グリクシスコントロール、エルフ、欲張ったマナベースのデッキを含むだろう。
結論として、マーベリックはコンボと対峙なければならなく、レンと六番はそれらには助けにならないのである。
罰する火はレンが印刷されて以来見かけない。リストから除外した理由は?
レンがその役割を担っている?それとももっと深い問題?
深い問題だろう。
新たなカードが出るとそこにスロットを割く必要がある。
さらに赤マナが必要になる。
そもそも罰する火があまり素晴らしい選択ではないという事もあるのだ。
ルーンの母ミラー、エルフ、グリクシスコントロールや奇跡のようなプレインズウォーカーデッキに対してそれが必要ということがあるだろうが、デルバーは1/3マスト除去を擁している。
そしてレンと罰する火を同じデッキで使うということはレンと噛み合うフェッチランドの数が減るということである。
そしてアンフェアなマッチアップには役に立たないのである。
罰する火とレンが戦慄衆の秘儀術師を倒す、とする主張もあるだろうが、それはすでに2枚コンボでありGRRを含む4マナが必要となり両立はかなり厳しい。
両方デッキに採用するとこんがらがるのである。
ここに関して良い解決策を見出せずにいる。
マーベリックの中での選択 黒タッチを選択したことについて
従来の緑白に黒をタッチするという選択をし、素晴らしい結果に繋がったわけだが、それはなぜ?
多くのプレイヤーは思考囲いと妄信的迫害を試している。これに関しては?
疫病を仕組むものの方がいいわけは?
説明したように、デルバーとデルバーを倒したいデッキというメタゲームにおいて、レンはやりたいことと噛み合わない。むしろ不利なマッチアップをより悪くしうる。
という事で、GWマーベリックの変種をプレイしたいわけだが、不毛の大地と除去で負けないようにする。
私もレンの入ったマーベリックをプレイしたことがあるように、サイドボードに思考囲いを採用した黒いバージョンを試したことがあるわけだが、それは対コントロールカードやアンフェアデッキ用の他のカードと被っているように感じた。
例えば、デルバーに対して75枚中に聖域の僧院長、除去、虚空の杯、があったとした時、それらはコンボやコントロールにも強い。
という事で緑白に思考を戻したわけである。
しかしながら欠けていた機能は対デルバーカード(若き紅蓮術師と真の名の宿敵を柔軟に除去するカード)である。
そしてコントロール、妄信的迫害が刺さりそうなエルフである。
妄信的迫害はいくつかの利点があるが、疫病を仕組むものに対する欠点がある。それは永続性がない事である。
疫病を仕組むものは並んだトークンや真の名の宿敵、ルーンの母、大梟などを殺せる。
そしてその後に出すべき脅威のために対処を迫る。
こちらのルーンの母により接死持ちの疫病を仕組むものは相手の聖遺の騎士、アンコウ、細菌トークンに対して非常に便利である。
とどまる限り秘儀術師を完全に止める。
さらに素晴らしいことに、妄信的迫害を持っていることでグリクシスコントロール相手に悪く思う必要もない。
そして時には梅澤の十手を装備する事もできるのである。
Chains of Mephistophelesはどう? サイドボードのスロットに関して変更したいところはある?
森の知恵を使うデッキにとって、Chains of Mephistophelesは常に物議を醸すカードである。
私は森の知恵がこのフォーマットにおける最強の緑のカードの一つだと確信している。
困ったことにナーセットが登場したために使いづらくなってしまった。
またURデルバーに対しては最前ではないことにも気づいたため1枚だけリストに採用している。
このことは別の対青カードを招き入れることになる。
(Chains of Mephistophelesは秘儀術師やグリセルブランドにも良い)
森の知恵には申し訳ない限りである(トラッカーやキャノピーも然り)。
それはタッチカラーゆえに評価が難しい。
個人的にはあまりタッチカラーの呪文をプレイしたくはない。
マナベースを計算してみたが極楽鳥と緑の太陽の頂点を含めて考えても10個の黒マナとした。
これはターン3〜4で確実に唱えることができるだけの黒マナの量になる。
Chainsは確かにキャントリップの多いデッキに対して良いことがわかっているが、残念ながらそれ以上の洞察を持ち合わせていない。
マーベリックの中での選択 採用・不採用のカードについて諸々
私のリストにおいては次のカードが不採用である。
- 宮殿の看守
- ラムナプの採掘者
また次のカードはメインで採用とした。
- 聖域の僧院長
- メインには2種の置物破壊(秋の騎士とクァーサルの群れ魔導師)
ラムナプは基本地形の多いメタゲームにおいては不要だろう。
奇跡、コンボ、デスタクとのマッチアップで持て余すのである。
メタ次第では、サイドやメインに復帰するはず。
僧院長はサーチできないのが厄介だが、予想されたマッチアップを改善した。
負けうるマッチアップだった土地単にゲーム1をとった時、例えばそれがラムナプだったら私を勝たせてはいなかっただろう。
クァーサルの群れ魔道士をメインに入れるかサイドに入れるか、あるいはそもそも入れないかで秋の騎士にするかは興味深い問題である。そして一般的に秋の騎士が全体的には良いだろう。
私はメインに十手などへの除去を持つことは、石鍛治デッキに対して相手が2マナ浮かしてアクティブな石鍛治がいる状態でターンを渡してきた時に、こちらの緑の太陽の頂点がより働くことに繋がると感じている。
もし緑の太陽の頂点がハンドにあり、クァーサルがデッキに入っていない場合、マナを使わずに十手を先に使わせてしまう。
それは明らかに剣を鍬にをプレイできるかによるが有用だとわかった。
最後に、宮殿の看守でなく野獣の擁護者、ビビアンの採用について。
看守はナーセットのいる、コントロールデッキによくなく、統治者を失うリスクもあるため、ビビアンは魅力的に映った。
ビビアンはまた、シルバーバレット的に採用した緑ではないクリーチャー(例えば疫病を仕組むものやフェアリーの忌み者)もサーチできるのである。
ビビアンは脅威になりうるとわかったのだが、マーベリックに詳しい友人との議論の結果、矛盾があるため2枚目のトラッカーか看守、墓地対策にすべきだという話になった。
墓地対策のためにビビアンを抜くのは簡単だが、そうするとサイドボーディングが不完全になるため、さらにデッキリストを調整する必要が出る。
より多様なメタゲームや今後のトーナメントでプレーする場合、おそらく私は看守、2枚目のトラッカー、墓地対策を試すだろう。
おわりに
ということで訳は以上である。
カードの選択など、かなり参考になるのではなかろうか。
(そしていまいち英語がわからない部分が混じっているため、意味が通らない部分に関しては是非原文を確認していただきたい)